創造的な暮らし

私には、私たちには、毎日奇跡が起きている。

富山の雪。ふと泣きそうになる、故郷の日々の思い出。

こんにちは、美樹です。

今日は初めてはてなブログさんの今週のお題に沿って記事を書いていこうと思います。

 

今週のお題は 「雪」 

 

朝目が覚めると、やけに外が静かで、冷えた体を抱きながらストーブをつける。重たいカーテンを少しだけ開けると、どんよりとした空から、ひらひらと舞い落ちる白いものがあった。

 

…雪だ。彼らは優しく、音もなく舞い落ちている。

 

見慣れたはずの庭は、木も、花壇も、芝生も、コンクリートの段差も、すべてが元の形を忘れさせるほどもこもこで、ボリュームがある分余計に冷たく見える。

 

そっと窓に手をついて外を眺める。指の周りがほわっと曇る。私は、初雪が降ってから少しした後に来る、初めて雪が積もった朝が好きだ。

 

少し部屋が温まってきたら、まずはお風呂を入れに行く。スキーウエアを着て、安いが丈夫な長くつに足を通す。

 

重いドアをあけると、ふわっとした空気が頬を刺す。玄関の前の階段から、まずは車道まで細い道を作る。車道に着くころには体は温まって汗すらかいている。

 

ふと周りを見渡すと、除雪機を使っている人や、手で使うダンプみたいな道具を使っている人、シャベルで細かいところをかいている人、さまざまだけど、みんな同じようにもくもくと雪をかいている。

 

いつから起きているのか、隣の家の前には小さな雪だるまがいる。どこからか、小さな子たちがはしゃぐ声が聞こえる。ここでやっと、ああ、冬がきたなあ…と実感する。

 

二年前に関東に引っ越してきてから、こんな冬が来たことは一度もない。関東は、富山の冬より風は冷たいが、人々が変わらず働けるほどだし、電車の中は暖かい。快適だ。

 

でも、そんな今だから、ふと思うのだ。富山の冬は贅沢だった、と。

 

本当に本当に寒くて、毎朝の雪かきの途中で投げやりになってしまったり、残業帰りの夜に、車が雪にハマって、一人でシャベルを振り下ろして泣いてしまったりと、富山の冬は本当に厳しかった。

 

でも、夜にコンビニに行くとき、いつも通る暗いはずの道が、少しだけ明るく見える。世界から音がなくなって、雪の降る音が聞こえてくる。小さな音だけど、微かに、聞こえてくる。

 

お休みの日、用事が済んだ夜。庭に積もった雪に横たわり、雪がどこからくるのかと眺める。無数に降る雪だけを見つめる時間は、本当に贅沢だった。冬の空は、どんよりとして、明るい。

 

今、こうしている間にも、情景が蘇ってきて泣きそうになる。たしか、富山の冬は、半分以上は辛かったと思う。ただ、あんなになんでもない情景が、いまこんなにも尊いなんて。

 

あの時は嫌だったはずの故郷の日々が、恋しいと思える日が来た。そして、そう思わせてくれる関東の冬を、きっとこの先に尊いと思える今の日々を、私はたくさん見ていこうと誓った。

 

 

 

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。ただただ、自分の思い出を書き綴りました。懐かしいなあ…富山。本当にいいところです。

 

では、今日はこの辺りで。